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メグレ警視シリーズの面白さ

※『メグレと謎のピクビュス』のプロットを明かしていますのでご留意ください。


 探偵小説作家で、アガサ・クリスティに次ぐ世界的発行部数を誇る作家は、おそらくジョルジュ・シムノンだろう。ノーベル文学賞の候補に推薦されたことも何度もある。だが、シムノンは我が国では驚くほど不遇だ。メグレ警視シリーズは河出書房のシリーズや雑誌『EQ』での掲載もあって全訳されたが、その大半は現在入手困難であり、普通小説に至ってはバーゲン本扱いになったものまである。彼我におけるこの驚くべき差異は何に由来するのだろうか。
 答えは明白だ。我が国の読者の多くは謎解きを主な関心として探偵小説を読む。シムノンの作品を初めて手に取った探偵小説ファンはどんな視点で読み始めるのだろうか。おそらく、「犯人は誰か? 殺害方法は?」といったところだろう。場合によっては、世界的人気を誇る探偵小説作家に対し、大いに期待を抱き、これにふさわしいフーダニットやハウダニットの大仕掛けが待っているのではとワクワクして謎解きを待ち受けるかもしれない。ところが、最後まで読み終えると、犯人は特に意外でもない人物、殺害方法もごくありきたりと分かる。事件そのものも日々の新聞で目にしそうな陳腐なものだ。そして結局、「こんなものに何を大騒ぎするんだろう?」と肩をすくめながら引き返してくる――これがシムノンを手にした我が国の読者の多くが示す反応ではないだろうか。

 はっきり言えば、こうした読者は、(ロバート・バーナードの表現を裏返せば)金鉱で石炭を掘り当てようとする人たちなのだ。

 プロットで勝負する探偵小説作家、たとえば、アガサ・クリスティは、彼女自身が述べているように、探偵小説を技術的な観点で執筆する。まずはプロットを練り上げ、これに即して物語を構築する。個々の登場人物もプロットにふさわしい個性と役割を与えられる。時に批判されるように、彼女の登場人物はボール紙から切り抜いたような薄っぺらな造形でしかない場合が多い。だが、それが彼女の作品の場合にはふさわしい。深みのある人物造形が施されたならば、そんな人物が到底行い得ないような犯罪やその人間性に反する動機を設定することはできなくなるからだ。我々は彼女の作品の結末で、ある人物がそれまで想定していたのとはまるで異なる性格の人物であり、思いもかけない動機を内に潜めていたことを知るが、そこに矛盾を感じることは少ない。

 シムノンは、クリスティとはまったく異なる執筆方法を採る。まず一人ひとりの登場人物の住所、家系、病歴、子どもの頃の思い出などを詳しく書き出し、さらには各人の家の間取りをドアや窓に至るまで詳細に図面化するという。そうやって、それぞれの人物に自分がなり切ることができたと納得した時、初めて執筆に取りかかる。シムノン自身述べているが、彼はプロットを予め考えない。登場人物たちが一度動き始めたら、あとは自分の手を離れて動いていくからだ。シムノンの作品が概ね短いのは、それらの登場人物になり切ることができる期間が限られているからであり、途中で中断すると、再びその作品を書くことはできなくなるという。

 メグレ警視も、シムノンのこうした人物造形の中で生み出されたキャラクターだ。ジュリアン・シモンズは Bloody Murder の中でこう書いている。「ホームズは鳥打帽、虫眼鏡、推理能力の組み合わせであって、人間ではない。ウィムジイは知性はあっても相変わらずふざけたバーティー・ウースターだ。ポワロはお定まりの滑稽な外国人。ネロ・ウルフは食事、ビール、蘭との関わりの中でしか存在しない」と。だが、「メグレは、小説の探偵はおしなべて薄っぺらだという法則を打ち破っている」。
 実際、ジル・アンリが『シムノンとメグレ警視』において、メグレ警視の人となりを詳細に再構成したように、メグレはまるで実在の人物のような具体的な来歴と豊かな人間性を具えている。アンリはこう書く。「その主人公がまるで実在の人物であるかのごとくに考えられるということは、それを創作した小説家に対する最大の賛辞ではないだろうか」(桶谷繁雄訳)と。他の探偵小説の探偵であれば、その人物像を描こうとしても、たとえば、ロジャー・シェリンガムのように、数ページのプロフィールで終わってしまうだろう。アン・ハートの『名探偵ポワロの華麗なる生涯』にしても、年代記的な記述を拾い上げて整理したものであり、作品数が多いから一定の分量になっただけで、ポワロの人となりをリアルな姿で伝えてはくれない。
 
 メグレ警視が事件と取り組む姿勢は、シムノンの執筆方法とまさにパラレルのものだ。メグレは事件の関係者たちと接しながら、彼らの一人ひとりになり切ろうとする。彼らがメグレにとって将棋の駒などではなく、血肉を具えた人間として理解された時、初めてメグレは真相に辿り着く。
 一つの例として、『メグレと謎のピクビュス』を取り上げてみよう。ある女占い師が殺される。事件の真相は実に呆気ない。だが、殺人犯とは間接的な関係しか持たない人々のおぞましい過去が捜査の過程から浮き彫りになる。ある船医が大金持ちの娘の命を助けてやり、その娘から感謝のしるしとして毎年二十万フラン受け取るようになる。ところが、その船医は病死。船医の妻は二十万フランの定期収入を失うことを恐れ、夫の死体を隠し、彼に似た浮浪者を拾って夫に仕立てる。その男は文盲で領収書にサインができなかったため、指を切り落とし、事故で字が書けなくなったことにする。二人はいつの間にか本物の夫婦のようになり、娘を儲ける。
 船医の妻、ル・クロアガン夫人の造形は実に見事だ。メグレは夫人や偽のル・クロアガンと接しながら、彼らという人間を理解していき、夫人の密やかな恐れや後ろめたい過去を我が事のように共有する。人間性の深奥に潜む不可解な動機は大金持ちの女性にはさっぱり分からない。彼女にとって二十万フランははした金だ。「かわいそうなひとね!……ちょっとわたしに手紙をくれればいいのに……わたしはその二十万フランのことはすっかり忘れてましたよ……その件は代理人に任せてあります」(長島良三訳)と語り、ル・クロアガン夫人のやったことを興味本位的に面白がるだけだ。それが通常人の反応なのかもしれない。だが、メグレにとってはそうではないのだ。
 
 メグレ警視はただの謎の解明人ではない。〈運命の修理人〉だ。どこかで狂った運命の果てに事件に巻き込まれた人々に接し、彼らを理解するように努め、事件の捜査(解決するとは限らない)を通して彼らの運命を〈修理〉するのだ。『オランダの犯罪』の記事でも触れたように、事件現場に溶け込み、一人ひとりの関係者と接する中で彼らに同化しながら犯罪発生に至る必然性を再構築しようとする〈運命の修理人〉メグレの姿を我々はそこに見るのである。
 メグレ警視のシリーズを楽しむためには、このシリーズに固有の特質を理解することが不可欠だ。謎解きのプロットを重視する視点を切り替え、メグレがいかに事件関係者たちと接し、一人ひとりの人間性や彼らの人間模様に迫っていくかを見つめることができるようになれば、そこには、他の探偵小説では得られない物語の醍醐味が見えてくる。
 
 こう力説してみたところで、そんなものは探偵小説ではない、あるいは、探偵小説の邪道だ、とすら言う人も一定数いることだろう。そうした人たちにシムノンの作品を無理に勧める必要はない。ロバート・バーナードの言葉を借りれば、「気にしなさんな。読んでみて面白くないのなら、きっと趣味に合わんのでしょ」(『欺しの天才』小池滋、中野康司訳より)とお答えすればいいと思う。こんなことを論じてみたところで、シムノンが俄かに読まれるようになるとはどのみち思えない。それに、シムノンは多作家だったため、時に気の抜けたような凡作を書くこともある。常に当たりがいいとは限らないのだ。
 ただ、我々は探偵小説を読む際に視点を一つに限定する必要はない。フリーマン『オシリスの眼』のあとがきでも述べたが、ロジックを重視した作品はトリックを重視する視点を切り替えることでその面白さを新たに理解できるようになる。シムノンの場合も同様だろう。そして、そうした視点の切り替えができるようになれば、より幅広い作品の面白さを味わうことにもつながるのではないか。そのことを理解してくれる人が一人でも増えてくれればと願うばかりである。
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ジョゼフ・グッドリッチ『エラリー・クイーン 創作の秘密 往復書簡1947-1950年』

 標題書は、作家エラリー・クイーン、つまり、フレデリック・ダネイとマンフレッド・リーの共同執筆作業に関わる往復書簡を収録したものである。時期としては、『十日間の不思議』、『九尾の猫』などのライツヴィルものを執筆していた頃の書簡だ。随所に編者グッドリッチの解説が付され、さらに、邦訳では訳者・飯城勇三氏の訳注が付されている。
 ダネイとリーの共同作業の中身が、構想担当:ダネイ、執筆担当:リーというものであり、二人の議論が常に激しいものであったことは、既に語られてきたことであり、本書はその裏付けとなる資料を提供していると言えよう。その意味で、これらの書簡に見られる実際の議論の激しさに接しても、多くのクイーン・ファンにとっては、もはやそれはまったくの驚きというより、予想どおりの具体例を改めて知らされたというところではないだろうか。
 この書簡集の主眼ともいうべき二人のやりとりの面白さは訳者あとがきでも触れられているし、屋上屋を架すような感想をここで述べるのは避けたい。むしろここでは、議論の激しさや楽しさよりも、その中から浮き彫りになる同時期の作家クイーンの探偵小説観を取り出し、そこから暗示される我が国におけるクイーン評価の問題性を取り上げてみたいと思う。

 エラリー・クイーンは本国アメリカにおいては既に忘却されつつある作家だ。オットー・ペンズラーが主催するミステリアスプレスが健気に刊行を続けてはいるが、大衆読者層にアピールする力はもはやない。これは他人の受け売りではなく、自分自身が現地で受けた印象でもある。ヘレン・マクロイ『あなたは誰?』のあとがきでその現実に触れたが、「本当に?」という半信半疑の反応もあった。そのあとがきで引用したフランシス・M・ネヴィンズも述べているように、我が国はクイーンが人気を維持しているほぼ唯一の国だ。日本のクイーン・ファンがその現実を驚きと失望をもって受け止めたとしても当然だろう。言語と地理的距離という制約の下で、我が国の読者の多くは英米の傾向を必ずしもよくは知らない。本書でも、グッドリッチは、「エラリー・クイーンは、ミステリ界の〝忘れられた男〟である」(同書337頁)と容赦なく書いている。彼もまた数少ないクイーン・ファンの一人であることを自覚しつつ論じているのだ。
 こう言えば、ネヴィンズの『エラリー・クイーン 推理の芸術』や本書のようなクイーンの研究書も本国で出ているではないか、という声も聞こえてきそうだ。だが、この二著はいずれもPerfect Crime Booksというミステリ専門の小さな版元から出ているものであり、遠慮なく言えばマニア層を想定した版元だろう。チャンドラーやスタウトのペーパーバックのように、大手出版社から刊行され、身近な書店でごく普通に目にする本ではあるまい。
 我が国でのクイーンの人気を支えている主な作品は何であろうか。明らかに「国名シリーズ」と「ドルリー・レーン四部作」だ。つまり、ネヴィンズの言う「第一期」に属する作品群である。我が国のクイーン・ファンは、主にこれらの作品が持つ謎解きのプロットやロジックを愛する。(もちろん、我が国にも「第三期」のライツヴィルものを最も高く評価するファンも、たとえ少数派であっても存在するだろうし、本国にも国名シリーズのほうを評価するファンもいて当然だ。ここでは大きな傾向を捉えて単純化していることを念のためおことわりしておく。)
 我が国のファンには、あからさまに言えば、クイーンには、ライツヴィルものへと移行するよりも、国名シリーズのような作品をもっともっと書いてほしかったと思う人が多いはずだ。有栖川有栖の国名シリーズのように、クイーンの「第一期」作品を意識した作品が我が国で続々と出、人気を博しているのは、作者も読者もこうした作品を求めているからにほかならない。その一方で、「第三期」のライツヴィルものは我が国の国産ミステリにほとんどインパクトを与えていない。
 「私がやろうと試みていることは、X氏、X氏だけが犯行をなし得たことを証明する古い〈クイーン方式〉から離れることなのだよ」(同書191頁)というダネイの言葉に、訳者・飯城氏は「初期の国名シリーズなどの愛読者はこのダネイの言葉に衝撃を受けるだろう」と注を付けている。さらに言えば、「衝撃」だけでなく、それを「退行」と受け止めるファンも少なくないはずだ。
 だが、本国のクイーン・ファンの認識は違う。本書の著者もこれを代弁していると見ていい。グッドリッチは、「第三期(1942―1958)は『災厄の町』で始まり、12の長篇で勝利に勝利を重ねていった」(31頁)とし、「『十日間の不思議』はクイーン長篇の最高傑作である」(47頁)と言う。我が国で究極の傑作と見なされている『Yの悲劇』は本国ではほとんど評価されておらず、本国での一番人気作『災厄の町』をはじめとするライツヴィルものこそがクイーンの絶頂期の作品と考えられている。そして、それは作者クイーン自身の認識でもあるのだ。
 ダネイは、「〈意外な犯人〉そのものが時代遅れなのだ――それは探偵小説における、より人工的な策略の一部だが、私の意見では、われわれはもうそこから卒業してしまったのだ」(70頁)、「物質的手がかりと決定的で超論理的な推理から、私は逃れようとしてきた」(191頁)と語り、リーもまた、「僕は〔……〕人間たちの物語を求めて、そこから出て行った――並外れた性格、あるいは並外れて興味深い性格、そして/あるいは、対立する人間関係、そして/あるいは、見覚えがあり興味深い背景――論理パズルというより人物、関係、出来事の総合体である物語を求めて」(107頁)と語る。
 探偵エラリーもまた、大きく変わった。グッドリッチが、「『ローマ帽子の謎』の気取った血の通わない好事家は、『十日間の不思議』の良心に苦しめられる血肉を備えた人間とは、何一つ似ていない」(338頁)と述べるように。そして、作者クイーンも本国のファンも、そこにエラリーの「成長」を見出す。「退行」ではなしに。
 こう見てくると、我が国のファンと本国のファンは、同じ〈クイーン・ファン〉と称しても、まるで違う志向性を持った〝異質の〟ファンだと言っても決して極言ではあるまい。クイーンはほぼ日本でのみ人気を保っているというだけでなく、作者や本国のファンの見方とは違った形で受容されているともいえる。
 以前の記事でも述べたが、作品の評価は一人ひとりが下すものであり、日本人には日本人の評価があっていいはずだし、それが本国での評価に比べて的が外れているとは断じて言えない。グッドリッチも、「初期の頃の長篇を好むファンは、常にEQの後期における遠出に魅了されるわけではない。そして、その逆も言える」(338頁)と述べている。ただ、少なくともこうは言えるのではないかと思う。本国のクイーン・ファンの見方は、我が国のファン以上に、作者自身が真摯に格闘した課題をよく理解し、作者自身が本当に評価してほしいと望んでいたポイントをまっすぐに見つめているのだと。
 ダネイは、『クイーン談話室』の中で、「吸ガラをどこに棄てたらいいのかね――天井にか」という言葉のきっかけから、「数ヶ月にわたる構想と構成、焦燥と選択の後に、『チャイナ橙の謎』という小説ができあがった」と書いている。おそらく、この頃の二人の議論は、同じ激論でも、まさにこうした謎解きのプロットやロジックを練り上げることに費やされていたことだろう。そして、我が国のファンにとっては、そうした議論の過程こそが興味深く、本当に知りたいと思うことではないだろうか。
 だが、先述したように、ライツヴィルものの構想は、二人の作者が初期の頃のそうした議論を消化し切ったあとに辿り着いたものなのだ。本書での二人の議論が何を論じているのかをよく見てほしい。プロットに触れかねないので詳細には立ち入らないが、それはトリックでもロジックでもない。一人ひとりの登場人物が読者にリアルで説得力のある存在として受け止めてもらえるにはどうしたらいいかを激しく論じ合っているのだ。探偵小説の核心は、技術的な〈トリック〉や解決で示される〈ロジック〉という部分要素ではなく、登場人物一人ひとりの存在とその関係が不可欠の要素として全体を織りなす〈プロット〉にあるという、本来は当然の認識がそこにはあるからだ。
 繰り返しになるが、我が国の探偵小説ファンが国名シリーズのロジックを至高のものとする認識を捨てる必要はないし、『Yの悲劇』を世界一の傑作とする考えを改める必要もない。だが、本書を読む醍醐味は、「いかに」激しく議論しているかという表層ではなく、「何を」論じているのかという点にありそうだ。そして、二人の作者がその議論に注いだエネルギーと時間、そこにかけた情熱を本書から垣間見る時、「第一期」の作品に比べて過小評価されてきた作品群の本当の面白さが見えてくるのかも。その時、クイーンの作品が驚くほどの多様性を持つだけでなく、たゆまず成長を続けてきた過程がそこにはあることに気づくかもしれないし、これまで思っていた以上に豊かな拡がりを持つシリーズとして眼前に現れてくることだってあるだろう。本書は読者にそのきっかけを与えてくれる書だと言えるのではないだろうか。


            グッドリッチ

リチャード・オースティン・フリーマン『ソーンダイク博士短篇全集 Ⅲ パズル・ロック』が刊行

 リチャード・オースティン・フリーマン『ソーンダイク博士短篇全集Ⅲ パズル・ロック』(国書刊行会)が第一巻『歌う骨』、第二巻『青いスカラベ』に続いて刊行され、全三巻が完結しました。
 全42篇に及ぶソーンダイク博士の登場する中短篇は、本巻をもって完結することとなりましたが、博士の活躍する長篇は『赤い拇指紋』から遺作The Jacob Street Mysteryまで21作に及びます。本短篇全集でシリーズの魅力を実感された読者には、『オシリスの眼』、『キャッツ・アイ』、『ポッターマック氏の失策』などの長篇を通じて、引き続きソーンダイク博士の魅力を堪能していただければ幸いです。

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 ジョン・ソーンダイク博士は、20世紀初めに数多登場したシャーロック・ホームズのライヴァルたちの中でも最も人気を博した名探偵である。当時最新の科学知識を犯罪捜査に導入、顕微鏡をはじめ様々な実験器具を用いて証拠を調べ、事件の真相をあばいていく法医学者ソーンダイクの活躍は読者の喝采を浴びた。また短篇集『歌う骨』では、最初に犯人の視点から犯行を描き、次に探偵が手がかりを収集して謎を論理的に解き明かす過程を描く「倒叙ミステリ」形式を発明した。真相解明の推理のロジックに重きを置いた作風は、現在も高く評価されている。本全集は、ソーンダイク博士シリーズの中短篇42作を全3巻に集成、初出誌から挿絵や図版を収録し、完全新訳で贈る、探偵小説ファン待望の決定版全集である。

 第3巻は、1920年代の探偵小説“黄金時代”に入り、さらに円熟味を増したソーンダイク探偵譚を収録。短篇集『パズル・ロック』(1925)、『魔法の小箱』(1927)は、暗号、毒殺、アリバイ、幽霊出現、バラバラ死体などの多彩なテーマを取り上げ、独創的なトリックやプロットの妙で読者を魅了する傑作が目白押し。「パズル・ロック」「バーナビー事件」「砂丘の謎」「ポンティング氏のアリバイ」「パンドラの箱」ほか全18篇を収録。付録エッセーはフリーマン研究家P・M・ストーンの「キングズ・ベンチ・ウォーク五A」。全3巻完結!(国書刊行会のホームページより)



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R・オースティン・フリーマン『ソーンダイク博士短篇全集Ⅲ パズル・ロック』が予約開始

 リチャード・オースティン・フリーマン『ソーンダイク博士短篇全集Ⅲ パズル・ロック』(国書刊行会)の予約受付が始まっています。

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 第一、二巻に引き続き、多くの読者の皆様に楽しんでいただけることを願っております。

 ジョン・ソーンダイク博士は、20世紀初めに数多登場したシャーロック・ホームズのライヴァルたちの中でも最も人気を博した名探偵である。当時最新の科学知識を犯罪捜査に導入、顕微鏡をはじめ様々な実験器具を用いて証拠を調べ、事件の真相をあばいていく法医学者ソーンダイクの活躍は読者の喝采を浴びた。また短篇集『歌う骨』では、最初に犯人の視点から犯行を描き、次に探偵が手がかりを収集して謎を論理的に解き明かす過程を描く「倒叙ミステリ」形式を発明した。真相解明の推理のロジックに重きを置いた作風は、現在も高く評価されている。本全集は、ソーンダイク博士シリーズの中短篇42作を全3巻に集成、初出誌から挿絵や図版を収録し、完全新訳で贈る、探偵小説ファン待望の決定版全集である。

 第3巻は、1920年代の探偵小説“黄金時代”に入り、さらに円熟味を増したソーンダイク探偵譚を収録。短篇集『パズル・ロック』(1925)、『魔法の小箱』(1927)は、暗号、毒殺、アリバイ、幽霊出現、バラバラ死体などの多彩なテーマを取り上げ、独創的なトリックやプロットの妙で読者を魅了する傑作が目白押し。「パズル・ロック」「バーナビー事件」「砂丘の謎」「ポンティング氏のアリバイ」「パンドラの箱」ほか全18篇を収録。付録エッセーはフリーマン研究家P・M・ストーンの「キングズ・ベンチ・ウォーク五A」。全3巻完結!(国書刊行会のホームページより)


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オースティン・フリーマン『キャッツ・アイ』『ソーンダイク博士短篇全集』が電子書籍化

 リチャード・オースティン・フリーマンの長篇『キャッツ・アイ』と『ソーンダイク博士短篇全集Ⅱ 青いスカラベ』が新たに電子書籍化されました。
 『オシリスの眼』と『ソーンダイク博士短篇全集Ⅰ 歌う骨』は既に電子書籍化されていますが、新たに二冊が加わることで、電子書籍を利用しておられる読者の皆様にもフリーマンの作品をさらに親しんでいただけるようになりました。
 引き続き多くの読者の皆様に楽しんでいただけることを願っております。

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ソーンダイク博士短篇全集Ⅰ 歌う骨   Kindle上巻  Kindle下巻

ソーンダイク博士短篇全集Ⅱ 青いスカラベ   Kindle上巻  Kindle下巻



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リチャード・オースティン・フリーマン『ソーンダイク博士短篇全集 Ⅱ 青いスカラベ』が刊行

 リチャード・オースティン・フリーマン『ソーンダイク博士短篇全集Ⅱ 青いスカラベ』(国書刊行会)が第一巻『歌う骨』に続いて刊行されました。
 多くの読者の皆様に楽しんでいただけることを願っております。
 
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 ジョン・ソーンダイク博士は、20世紀初めに数多登場したシャーロック・ホームズのライヴァルたちの中でも最も人気を博した名探偵である。当時最新の科学知識を犯罪捜査に導入、顕微鏡をはじめ様々な実験器具を用いて証拠を調べ、事件の真相をあばいていく法医学者ソーンダイクの活躍は読者の喝采を浴びた。また短篇集『歌う骨』では、最初に犯人の視点から犯行を描き、次に探偵が手がかりを収集して謎を論理的に解き明かす過程を描く「倒叙ミステリ」形式を発明した。真相解明の推理のロジックに重きを置いた作風は、現在も高く評価されている。本全集は、ソーンダイク博士シリーズの中短篇42作を全3巻に集成、初出誌から挿絵や図版を収録し、完全新訳で贈る、探偵小説ファン待望の決定版全集である。

 第2巻は、後に長篇に改稿された単行本未収録の中篇「ニュー・イン三十一番地」、海を舞台にした倒叙物「死者の手」を巻頭に、短篇集『大いなる肖像画の謎』(1918)から「消えた金貸し」など2篇、さらに作者のエジプト趣味も窺える宝探し暗号小説「青いスカラベ」や、証拠に付着した埃の顕微鏡検査から強盗殺人犯を追及する科学者探偵の本領発揮の「ニュージャージー・スフィンクス」など、第一次大戦後に再開されたシリーズ7篇をまとめた短篇集『ソーンダイク博士の事件簿』(1923)を収録。付録エッセー「探偵小説の技法」他。(国書刊行会のホームページより)



    青いスカラベ

R・オースティン・フリーマン『ソーンダイク博士短篇全集Ⅱ 青いスカラベ』が予約開始

 リチャード・オースティン・フリーマン『ソーンダイク博士短篇全集Ⅱ 青いスカラベ』(国書刊行会)の予約受付が始まっています。

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 第一巻に引き続き、多くの読者の皆様に楽しんでいただけることを願っております。

 ジョン・ソーンダイク博士は、20世紀初めに数多登場したシャーロック・ホームズのライヴァルたちの中でも最も人気を博した名探偵である。当時最新の科学知識を犯罪捜査に導入、顕微鏡をはじめ様々な実験器具を用いて証拠を調べ、事件の真相をあばいていく法医学者ソーンダイクの活躍は読者の喝采を浴びた。また短篇集『歌う骨』では、最初に犯人の視点から犯行を描き、次に探偵が手がかりを収集して謎を論理的に解き明かす過程を描く「倒叙ミステリ」形式を発明した。真相解明の推理のロジックに重きを置いた作風は、現在も高く評価されている。本全集は、ソーンダイク博士シリーズの中短篇42作を全3巻に集成、初出誌から挿絵や図版を収録し、完全新訳で贈る、探偵小説ファン待望の決定版全集である。

 第2巻は、後に長篇に改稿された単行本未収録の中篇「ニュー・イン三十一番地」、海を舞台にした倒叙物「死者の手」を巻頭に、短篇集『大いなる肖像画の謎』(1918)から「消えた金貸し」など2篇、さらに作者のエジプト趣味も窺える宝探し暗号小説「青いスカラベ」や、証拠に付着した埃の顕微鏡検査から強盗殺人犯を追及する科学者探偵の本領発揮の「ニュージャージー・スフィンクス」など、第一次大戦後に再開されたシリーズ7篇をまとめた短篇集『ソーンダイク博士の事件簿』(1923)を収録。付録エッセー「探偵小説の技法」他。(国書刊行会のホームページより)


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バロネス・オルツィ「白いカーネーションの謎」

 バロネス・オルツィの〈隅の老人〉のシリーズは、『ミス・エリオット事件(The Case of Miss Elliott)』(1905)、『隅の老人(The Old Man in the Corner)』(1909)、『解かれた結び目(Unravelled Knots)』(1925)の三つの短篇集に(未収録作1篇を除いて)収録されている。
 第三短篇集『解かれた結び目』の収録作のうち、下記の5作については、〈ハッチンスンズ・マガジン〉に1924年から25年にかけて以下のように連載された。

 「白いカーネーションの謎」   1924年11月号
 「モンマルトル風の帽子の謎」  1924年12月号
 「メイダ・ヴェールの守銭奴」  1925年2月号
 「フルトン・ガーデンズの謎」  1925年3月号
 「荒地の悲劇」          1925年4月号


 このうち、「白いカーネーションの謎」の挿絵を以下に掲げる。挿絵画家は、アルバート・ベイリー。




     白いカーネーション1



     白いカーネーション2




     白いカーネーション3

リチャード・オースティン・フリーマン『ソーンダイク博士短篇全集 Ⅰ 歌う骨』が刊行

 リチャード・オースティン・フリーマン『ソーンダイク博士短篇全集Ⅰ 歌う骨』(国書刊行会)が刊行されました。
 
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 『ソーンダイク博士短篇全集』は、リチャード・オースティン・フリーマンの創造したジョン・イヴリン・ソーンダイク博士の登場する全中短篇42篇を集大成するものです。全三巻の予定であり、第二巻『青いスカラベ』、第三巻『パズル・ロック』も今後順次刊行してまいります。
 『オシリスの眼』、『キャッツ・アイ』(以上、ちくま文庫)、『ポッターマック氏の失策』、『ニュー・イン三十一番の謎』(以上、論創社)など、近年、代表的な長篇の紹介が相次ぎ、次第に読者の関心が高まるとともに、シリーズの全貌が明らかになってきたところであり、この機会に中短篇をまとまった形で紹介する意義は大きいと考えております。
 「あらゆる時代を通じて最も偉大な法医学者探偵」(クリス・スタインブラナー&オットー・ペンズラーEncyclopedia of Mystery and Detection)とされるソーンダイク博士は、1907年に長編『赤い拇指紋』でデビューしました。この長篇である程度の手応えを感じたフリーマンは、当時の人気スリック雑誌の一つ、〈ピアスンズ・マガジン〉にソーンダイク博士の短篇シリーズ8篇を売り込み、1908年12月号の「青いスパンコール」を皮切りに連載を開始しました。
 中短篇を通じて知ることのできるソーンダイク博士は、シリーズ全体のほぼ前半の時期に限られるのですが、脂の乗った時期の傑作が集中していて、長編以上にトリックの創意工夫が顕著であり、カーター・ディクスンに影響を与えたとされる密室ものの傑作「アルミニウムの短剣」、レイモンド・ボンド編『暗号ミステリ傑作選』に選ばれた暗号ミステリの傑作「パズル・ロック」をはじめ、不可能犯罪、毒物、アリバイ、暗号など、謎解き推理小説における様々なジャンルの代表的傑作が目白押しとなっています。
 科学的実証性を重んじたフリーマンは、作中のトリックや仕掛けの大半を自ら実験して実効性を確かめただけでなく、自ら描いた図版のほか、髪の毛や綿埃などの顕微鏡写真、印章や足跡の石膏型などの証拠品の写真を多くの短篇に挿入しました。
 ところが、雑誌掲載時に掲載されていたこれらの写真の多くは、単行本には収録されませんでした。スケッチや図版を別にしても、全42編の中短篇中、実に半数近い20篇に顕微鏡写真などの写真が挿入されています。このうち、単行本に再録さたれ写真は、第一短篇集『ジョン・ソーンダイクの事件記録』英チャトー&ウィンダス社初版(1909)収録の3篇と、『パズル・ロック』英ホダー&スタウトン社初版(1925)収録の1篇のみです。そのほかにも、単行本では、写真をイラストに差し替えたり、図版を簡略化するなどの手を加えられた例があります。
 また、〈ピアスンズ・マガジン〉の掲載作には、全篇、当時の第一線の挿絵画家による挿絵が加えられていました。なかでもよく知られているのが、計14作で挿絵を担当したヘンリー・マシュー・ブロック(1875―1960)で、ドロシー・L・セイヤーズは、「おそらく小説に登場する最もハンサムな探偵」(Great Short Stories of Detection, Mystery and Horror(1928)の序文より)とソーンダイク博士を評しましたが、この評にはブロックの挿絵の影響もあるでしょう。
 本全集では、〈ピアスンズ・マガジン〉掲載時に挿入された写真、図版、挿絵は原則としてすべて収録することとし、同誌に掲載されなかった作品については、可能な限り、他の初出誌や初期の刊行本から挿絵を収録する方針です。
 この全集を通じて、英国推理小説作家の重鎮として古典期から黄金期にかけての本格謎解き推理小説を牽引したフリーマンの作品の魅力を知っていただくとともに、後世の作家たちに与えた巨大な影響の片鱗に触れていただくことができれば幸いです。


          Pearson's Magazine
       ピアスンズ・マガジン1908年12月号(「青いスパンコール」の掲載号)


          モアブ語の暗号
             「モアブ語の暗号」のH・M・ブロックによる挿絵

テーマ : ミステリ
ジャンル : 小説・文学

R・オースティン・フリーマン『ソーンダイク博士短篇全集Ⅰ 歌う骨』が予約開始

 リチャード・オースティン・フリーマン『ソーンダイク博士短篇全集Ⅰ 歌う骨』(国書刊行会)の予約受付が始まっています。

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 多くの読者の皆様に楽しんでいただけることを願っております。


 ジョン・ソーンダイク博士は、20世紀初めに数多登場したシャーロック・ホームズのライヴァルたちの中でも最も人気を博した名探偵である。当時最新の科学知識を犯罪捜査に導入、顕微鏡をはじめ様々な実験器具を用いて証拠を調べ、事件の真相をあばいていく法医学者ソーンダイクの活躍は読者の喝采を浴びた。また短篇集『歌う骨』では、最初に犯人の視点から犯行を描き、次に探偵が手がかりを収集して謎を論理的に解き明かす過程を描く「倒叙ミステリ」形式を発明した。真相解明の推理のロジックに重きを置いた作風は、現在も高く評価されている。本全集は、ソーンダイク博士シリーズの中短篇42作を全3巻に集成、 初出誌から挿絵や図版を収録し、完全新訳で贈る、探偵小説ファン待望の決定版全集である。
 第1巻は、「アルミニウムの短剣」他の有名作を含む記念すべき第一短篇集『ジョン・ソーンダイクの事件記録』(1909)と、倒叙形式の発明でミステリ史における里程標的短篇集『歌う骨』(1912)に、作者自身による名探偵紹介「ソーンダイク博士をご紹介」を収録。(国書刊行会のホームページより)


       歌う骨
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