J・J・コニントン『九つの解決』は7月末刊行予定

 以前の記事でお知らせした、J・J・コニントンの『九つの解決』(1928)(原題:The Case with Nine Solutions)は、論創海外ミステリ叢書の第176巻として、7月30日に刊行されることとなりました。警察本部長のクリントン・ドリフィールド卿が登場する4作目の長編であり、既刊の『レイナムパーヴァの災厄』の前作に当たります。
 タイトルは、二件の死をめぐって、事故、自殺、殺人という三つの可能性に基づく九つの組み合わせをベースに、クリントン卿とフランボロー警部が議論を戦わせ、公算の小さい選択肢を消去しながら真相を絞り込んでいく議論を表しています。黄金時代の謎解きの醍醐味を味わうことのできる本作最大の見せ場ですが、実際は、濃霧の中での謎の死を皮切りに、全部で4件の死が次々と発生し、コニントンの作品としては、弛緩することのないテンションを維持したストーリー展開を堪能できます。さらには、ダイイング・メッセージ、謎の情報提供者、指輪のイニシャルの謎、遺言書と遺産の謎、クリントン卿の偽者の登場と、複雑なプロットを構成する様々なファクターが謎解きへの興味を盛り上げ、ついには捜査陣も巻き込んだとんでもない大団円を迎えることになります。特に、最後に示されるロジカルで緻密な推理の展開は、黄金期の作品の中でも出色のものといえるでしょう。
 解説は、著名なクラシック・ミステリ研究家で、エラリー・クイーンやレオ・ブルースをはじめ、多くの海外ミステリ作品に解説を寄せてこられた塚田よしと氏に執筆していただいております。塚田氏は、同じく論創海外ミステリの一冊として刊行された『レイナムパーヴァの災厄』の解説も書いておられますが、コニントンの作品に対する読みの深さもさることながら、書誌学的な知識の豊かさを遺憾なく発揮された、充実した解説を執筆していただいたことに、この場を借りて厚く御礼申し上げる次第です。
 現在、編集者の黒田氏のご協力をいただきながら最後の詰めを行っているところですが、多くの読者の皆様に楽しんでいただけることを願っております。
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テーマ : ミステリ
ジャンル : 小説・文学

J・J・コニントン『九つの解決』刊行

 J・J・コニントンの『九つの解決』が論創社の論創海外ミステリ叢書から刊行されました。警察本部長のクリントン・ドリフィールド卿が登場する4作目の長編です。

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 コニントンならではの複雑なプロットと緻密な推理の論理的展開が光る初期代表作であり、フリーマンの『オシリスの眼』、マクドナルドの『鑢(やすり)』などと同じく、作者と読者の知恵比べという伝統的な本格派推理小説の性格を引き継いだ、ゴールデン・エイジの香気溢れる謎解きの醍醐味を味わえる作品です。
 多くの読者の皆様に楽しんでいただけることを願っております。

                  九つの解決

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