オースティン・フリーマン ‘The Stalking Horse’

 ‘The Stalking Horse’は、ピアスン誌1922年8月号に‘The Affair at Densford Junction’というタイトルで掲載され、のちに短編集“The Magic Casket”(1927)に収録された際に標記のように改題された。列車のコンパートメント内で女性参政権反対論者の男が射殺され、容疑者として逮捕された女性の無実をソーンダイク博士が証明する。
 ピアスン誌で挿絵を描いているのは、ハワード・K・エルコック。


               Stalking Horse 1


               Stalking Horse 2


               Stalking Horse 3


               Stalking Horse 4


 なお、ピアスン誌版には、ソーンダイクが謎を解く手がかりとなる紙片の写真が掲載されていたが、単行本には掲載されていない。手書きの字は明らかにフリーマンの筆跡だ。

               Stalking Horse 5

 この機会にピアスン誌版と単行本版の顕著な違いについて改めて触れておく。フリーマンは、短編の多くで写真や図版を用意していたが、単行本に収録された際に、オリジナルのピアスン誌版には掲載されていたこれらの写真や図版が省かれている例が多い。例えば、“The Magic Casket”には9編の短編が収録されているが、そのうち6編に、ピアスン誌版では写真が掲載されていたのに対し、単行本には一つも収録されていない。
 フリーマンの版元だったホダー&スタウトン社の判断と思われるが、ノーマン・ドナルドスンも、“In Search of Dr. Thorndyke”の中で同様の指摘をしている。そこから考えると、長編でも、『猿の肖像』だけでなく、本来はこうした写真や図版が用意されていたものが多かったのではないかと思えてならない。“The Shadow of the Wolf”のコルクのボタン、『ポッターマック氏の失策』の足跡の写真などは、特にそうした疑いを強く感じる。
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