「翻訳ミステリー大賞シンジケート」に『オシリスの眼』の書評

 「翻訳ミステリー大賞シンジケート」の「クラシック・ミステリ玉手箱」の書評で、ストラングル成田氏に『オシリスの眼』を取り上げていただきました。
 「これでもか、とばかり、真相に結び付く手がかりと推理を次々と開示していく迫力に満ちた終章は、時代はもちろん逆だが、クイーンばりですらある。エジプト学が単なるペダントリーに終わらず、プロットに密接に関わっている点も特筆すべきだろう。フェアな手がかりと推理による正統的謎解き小説の確立者としての、フリーマンの先駆性をまざまざと示す作品だ。」と書評を結んでおられます。
 文庫解説では、フリーマンらしさを強調するために、敢えてトリック云々はさほど強調しないよう努めた面もあるのですが、成田氏は本作の真相における「大胆な力技」にも触れておられます。『オシリスの眼』は、「ゲームの慣習」でほぼ確実に犯人が分かってしまう『猿の肖像』に比べると、フーダニットやハウダニットの面でも、まずまずの意外性を持つプロットであることから、必ずしも容易に真相を見抜く読者ばかりではないようで、それだけに、トリックや意外性の視点で評価しようとする読者も少なからずおられるように思えます。
 それまで意識しなかったフリーマンの作品の特長に目を向け、面白さにあらためて気づいてくださった読者がおられたとすれば、それで私の解説は十分役割を果たしたと思っているのですが、「ゲームの慣習」に従って推論する読み方を否定するつもりはありませんし、むしろ自分自身、そうした推理小説の読み方を存分に楽しんでいる読者だと思っています。『オシリスの眼』をそうした視点からも楽しんでいただけた読者がおられるなら、それもまた訳者にとって望外の喜びというものでしょう。
 それにしても、ストラングル(絞殺)とはすごいペンネームです・・・。
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