ジョゼフ・カミングズ ‘The Riddle of Hangtree County’

 ‘The Riddle of Hangtree County’は、Western Trails誌1949年4月号に掲載された、ノン・シリーズ物の中編。ロバート・エイディが“Locked Room Murders and Other Impossible Crimes”で未入手の作品の一つとして挙げていたもの。

 ハングトリー州の法廷では、チェット・キングという青年が家畜商人のビル・トリニダードを殺害した容疑で裁判にかけられていた。訴追者である州を代表して尋問を行うのはロン・ルーカス、チェットの弁護を務めるのはビアズリー・プローン大佐だった。
 チェットは、多くの農家がルーカスの「自作農保護局」に取り込まれていた中で、弟のジョージとともに独立経営を維持しようとしていたが、ルーカスの手下たちから嫌がらせを受け、立ち退きを要求されていた。トリニダードは保護局でルーカスに次ぐポストにあり、チェットはその件で話をするために、チェリコ・ホテルの二階のトリニダードの部屋を訪れたのだった。
 そのあと、ルーカスがトリニダードの部屋に行くと、ドアには鍵がかかっていて、外から呼んでも返事がなかったため、ホテルのマネージャーに確認するが、トリニダードは部屋にいるはずだという。そこで、コマンチ族の男に梯子をかけて登らせて、窓から部屋を覗かせると、中には男が二人倒れている。部屋にはドアと窓が一つずつあるだけだった。窓は内側から鍵がかかり、ドアには重い整理ダンスが内側から押しつけられていて、窓ガラスを割って入るしかないという。
 彼らが窓を割って部屋の中に入ると、チェットは泥酔して意識を失っており、トリニダードは背中をボーイーナイフで刺されて絶命し、ナイフは背中に突き立ったままだった。ドアの鍵はトリニダードのポケットから見つかり、第三者が部屋の中に入るのは不可能であり、チェット以外にトリニダードを殺せた者はいなかった・・・。

 探偵役は、いつも傘を手に持っているプローン大佐。大団円では、その傘で立ち回りを演じてみせる。トリック自体は古典的なもので、特に斬新ではないが、シンプルで分かりやすいのは好感が持てる。ウェスタン物の雑誌に掲載されたためか、舞台も登場人物もそうした設定になっていて、西部劇風の活劇シーンがいくつも出てくるところが面白い。
 なお、この雑誌には、‘Pioneer Sky-Pilot’という、モンティ・クレイヴン名義のウェスタン物の短編も入っており、おそらくカミングスの作品だろう。


WesternTrail
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