登場人物の名前も意味深(付記)
登場人物の名前と言えば、作者が意図的に考えた面白い名前もあるが、無意識に偶然面白い(とんでもない?)名前を付けてしまった例もある。
アガサ・クリスティの『リスタデール卿の謎』収録の「ラジャのエメラルド」には、ジェイムズ・ボンド氏が登場する。同短編集は1934年に刊行されたものだし、イアン・フレミングの007物の最初の長編『カジノ・ロワイヤル』は1953年刊行なので、もちろんクリスティ女史は知る由もない偶然である。フレミング自身は、愛読書だった“Birds of the West Indies”(1936)の著者の名前を借用したとされるので、フレミングももちろんクリスティの作品については知らなかったことと思われる。
同じくクリスティの『マン島の黄金』収録の「崖っぷち」には「ヴィヴィアン・リー」が登場する。もっとも、こちらは原文では‘Vivien Lee’で、「風とともに去りぬ」や「哀愁」などで有名な映画女優のほうは‘Vivien Leigh’なので、完全に一致しているわけではない。
ヘレン・マクロイのベイジル・ウィリング物の短編‘Murder Ad Lib’には、マックス・ウェーバー氏が登場。被害者として殺されるのはその妻で、名はマリアンネ・・・ではなくてケイティー。もちろん、マクロイは知らずに使ったと思われるのだが、アメリカでも著名なこのドイツの社会学者の名前をよりによって・・・ちょっと不用心な気はする。心理学には詳しかったマクロイも、社会学まではよく知らなかったということか。
テレビ・ドラマもそうだが、小説でも、冒頭で「本書はフィクションであり、本書に登場する人物、出来事は、すべて架空のものである」といった断り書きがよく載っている。それも、こんな偶然が時として起こるからなのだろう。名前の選択というのは気をつけなくてはいけないものなのだ。くわばら、くわばら・・・。
アガサ・クリスティの『リスタデール卿の謎』収録の「ラジャのエメラルド」には、ジェイムズ・ボンド氏が登場する。同短編集は1934年に刊行されたものだし、イアン・フレミングの007物の最初の長編『カジノ・ロワイヤル』は1953年刊行なので、もちろんクリスティ女史は知る由もない偶然である。フレミング自身は、愛読書だった“Birds of the West Indies”(1936)の著者の名前を借用したとされるので、フレミングももちろんクリスティの作品については知らなかったことと思われる。
同じくクリスティの『マン島の黄金』収録の「崖っぷち」には「ヴィヴィアン・リー」が登場する。もっとも、こちらは原文では‘Vivien Lee’で、「風とともに去りぬ」や「哀愁」などで有名な映画女優のほうは‘Vivien Leigh’なので、完全に一致しているわけではない。
ヘレン・マクロイのベイジル・ウィリング物の短編‘Murder Ad Lib’には、マックス・ウェーバー氏が登場。被害者として殺されるのはその妻で、名はマリアンネ・・・ではなくてケイティー。もちろん、マクロイは知らずに使ったと思われるのだが、アメリカでも著名なこのドイツの社会学者の名前をよりによって・・・ちょっと不用心な気はする。心理学には詳しかったマクロイも、社会学まではよく知らなかったということか。
テレビ・ドラマもそうだが、小説でも、冒頭で「本書はフィクションであり、本書に登場する人物、出来事は、すべて架空のものである」といった断り書きがよく載っている。それも、こんな偶然が時として起こるからなのだろう。名前の選択というのは気をつけなくてはいけないものなのだ。くわばら、くわばら・・・。
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