『時の娘』再考 はじめに

 ここに掲載するのは、もう10年以上前にニフティに書き込んだ「『時の娘』再考」という議論に加筆訂正を行ったものである。ロンドン塔の二王子の謎についての文献を渉猟した副産物なのだが、あれから随分時が経ったにもかかわらず、今なお、一推理小説作家が歴史の謎に挑んで、学者も想定していなかったような新説を提起した、学問的意義のある作品であるかのように『時の娘』を評価する人がいる。
 以下に論じるように、これは無知に基づくとんでもない誤解である。にもかからず、『時の娘』は依然として優れた歴史ミステリなのだということを再認識してほしいという思いも込めて書いたつもりである。
 ニフティに書き込みをして以来、ジョフリー・リチャードスンの“The Deceivers”(1997年)のような研究書も出ていることに気づいたが、現状では敢えて論評を加筆しなかった。今後の課題として残しておきたいと思う。
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テーマ : ミステリ
ジャンル : 小説・文学

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先日はメールありがとうございました

フーチン64さん、こんばんは。「白い猪亭」の秋津羽です。
実は、貴ブログの『時の娘』再考の記事を少し前に拝見し、他の記事も少しずつ読ませていただいていたところでした。なので、メールいただき驚きました。
歴史書、研究書の内容について的確にまとめていらっしゃって感嘆いたしました。私もまとめをしようと前々から思いつつもできておりません。専門書も複数入手してはあるのですが、パラ見しただけのものが多いです(苦笑)。

二王子のものと言われている遺骨に関しては、1930年代の鑑定では当時の技術的限界があり、正確さに欠けていると考えております。現代の知識と技術で再鑑定を行っていただきたいと願っております。

歴史の謎はいろいろ

私もミステリに劣らず歴史が好きで、英国史も、引用したアリスン・ウィアの著作をはじめいろいろ読んでいます。
「事実は小説より奇なり」とはよく言ったもので、二王子の謎に劣らぬ歴史上の謎はほかにもいろいろあります。いずれこのブログで触れてみたいと思っています。
記事の中でも書いたとおり、DNA鑑定は二王子の謎を解く一つの手掛かりになり得るはずなのですが、残念ながら遺骨の再調査はその後認められないままになっています。
長らく歴史上の謎とされてきたものでも、最新の科学調査によって解明された例が少なくないことを考えれば、ぜひ再調査の許可を与えてほしいところですね。
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