オースティン・フリーマン「ニュージャージー・スフィンクス」

 「ニュージャージー・スフィンクス」(The New Jersey Sphinx)は、ピアスン誌1922年4月号に掲載され、のちに短編集“Dr. Thorndyke's Case-Book”(1923)に収録された。邦訳は『ソーンダイク博士の事件簿2』(創元社)に収録されている。
 H・M・ブロックは、ピアスン誌で1908年12月号掲載の「青いスパンコール」から1914年6月号掲載の「消えた金融業者」まで、全14作のソーンダイク博士物の短編に挿絵を描いた。(「隅の老人」のイラストを描いたのもブロックだ。)
 本作は、「消えた金融業者」以来およそ8年ぶりに掲載されたソーンダイク博士物の短編であり、この時だけシドニー・シーモア・ルーカスが挿絵を描いている。次号の‘The Blue Diamond Mystery’(単行本収録時に‘A Fisher of Men’と改題)からは、ハワード・K・エルコックが挿絵を担当するようになった。


New Jersey1


New Jersey2


New Jersey3
中央がソーンダイク、右側がジャーヴィス

 普段は激しいアクションなど見せないソーンダイクだが、この作品では珍しく犯人と格闘してアッパーカットをお見舞いしている。なお、この最後の挿絵は、上記邦訳の解説にも掲載されている。
 こうして見ると、最初にジャーヴィスに口ひげを蓄えさせた犯人はルーカスだと分かる。これがソーンダイクとジャーヴィスか、と思うくらい違和感があるが、なにやらホームズとワトスンを意識したような印象も受ける。この一作のみでご退場となったのは、むしろよかったのかもしれない。

 帽子から採取した埃が犯人を突き止める手がかりとなるが、雑誌版には、酸化鉛のまじった埃の顕微鏡写真が挿入されていた。(単行本版では省かれている。)

New Jersey4
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