CWA会員による投票結果――「過去最高の長編」は『アクロイド殺害事件』

 11月5日、ロンドンのチャリング・クロス・ロードにあるフォイルズ書店において、CWA(Crime Writers' Association:英国推理作家協会)の60周年記念式典が行われ、約600人のCWA会員の作家たちによる、「過去最高の長編」、「過去最高の作家」、「過去最高のシリーズ」の投票結果が発表された。その結果は以下のとおり。

 過去最高の長編    『アクロイド殺害事件』
 過去最高の作家    アガサ・クリスティ
 過去最高のシリーズ  シャーロック・ホームズ

 CWA会長のアリスン・ジョゼフは、クリスティを「その見事な精確さと完璧なツボの押さえ方のおかげで、いまなお最も人気のあるミステリ作家だ」と称賛した。

 私個人としても、この結果には100%同意。
 以前の記事でも書いたが、プロットの秀逸さで推理小説のベストを選べと言われれば、私も躊躇なく『アクロイド』を選ぶし、クリスティの作品とドイルのホームズ物は、少年時代の思い出も含めて、私にとってもかけがえのないシリーズだからだ。このたびの結果に惜しみない拍手を送りたい。

 なお、他のノミネート作品、作家等は以下のとおり。
 
 長編
  レジナルド・ヒル 『ベウラの頂』
  レイモンド・チャンドラー 『大いなる眠り』
  アーサー・コナン・ドイル 『バスカヴィル家の犬』
  ドロシー・L・セイヤーズ 『ナイン・テイラーズ』
  レイモンド・チャンドラー 『ロング・グッドバイ』
  アガサ・クリスティ 『オリエント急行の殺人』
  トマス・ハリス 『羊たちの沈黙』
  マーティン・クルーズ・スミス 『ゴーリキー・パーク』
  ウィルキー・コリンズ 『月長石』

 作家
  レイモンド・チャンドラー
  アーサー・コナン・ドイル
  レジナルド・ヒル
  ダシール・ハメット
  ドロシー・L・セイヤーズ
  エルモア・レナード
  ジョルジュ・シムノン
  P・D・ジェイムズ
  ルース・レンデル

 シリーズ
  アダム・ダルグリッシュ(P・D・ジェイムズ)
  ディーエルとパスコー(レジナルド・ヒル)
  エルキュール・ポアロ(アガサ・クリスティ)
  モース(コリン・デクスター)
  フィリップ・マーロウ(レイモンド・チャンドラー)
  ジョン・リーバス(イアン・ランキン)
  ピーター・ウィムジイ(ドロシー・L・セイヤーズ)
  アルバート・キャンピオン(マージェリー・アリンガム)

追記:
 フォイルズも私にとっては懐かしい書店で、今ならネットでなんでも買えてしまうが、当時は、休みになると、品揃えのいいフォイルズについ足を向けてしまったものだ。
 マーシュ、アリンガムはほとんどフォイルズで買ったペーパーバックで読んだ。ずらりと並んだ二人の作品を見て、本国における人気を実感し、我が国における紹介の少なさを残念に思ったものだった。
スポンサーサイト

テーマ : ミステリ
ジャンル : 小説・文学

コメントの投稿

非公開コメント

No title

今回の結果を読んで自分も納得しましたが、候補作を読んでいて自分が実際に触れているのはほんの一部だけで、改めて自分はまだまだ作品を読んでいないことを実感しました…
特に自分がハンドル・ネームとして使っている名前がアガサ・クリスティー作品のキャラクターを遠まわしにひねったものである自分は最高の長編と作家に選ばれているのは個人的ながらも喜んでしまいました
自分はアクロイド殺しは推理小説としてはフェアで、作品としても面白いと思っているのですが…実はこの作品は苦手です
自分が読んだクリスティー長編2作目でそのトリックについて何も知らずに読んでその結末に衝撃を受けたのですが、それと同時に犯人に思いっきり感情移入していたため、ラストのポアロの取引が残酷に感じてしまい二年近くはポアロ物の長編が読めないくらいでした…
今では様々な作品でクリスティーの犯罪に対する厳しさを感じて普通にポアロ物も読めるようになりましたが今でもこの作品だけは苦手です…理由が理由なのであまりミステリ・ファンには大きな声でいえませんし、クリスティー・ファンと会話する場合でも今でも気まずい思いをしています…

長文失礼しました

なるほど。Jane ⇒ June(6月:水無月) Marple ⇒ maple(かえで)というわけですか。
なかなか面白いですな。
プロフィール

S・フチガミ

Author:S・フチガミ
お問い合わせ等は
fuhchin6491
(アットマーク)
hotmail.co.jp
へどうぞ

カテゴリ
フリーエリア
天気予報
リンク
検索フォーム
アクセスカウンター
RSSリンクの表示