英「デイリー・テレグラフ」紙による長編ベスト20

 昨年11月に、英国推理作家協会(CWA)が、過去最高の長編やシリーズなどを発表したのは記憶に新しいところであり、当ブログの記事でもご紹介した。
今度は、英「デイリー・テレグラフ」紙が、今月5日に、長編ミステリのオールタイム・ベスト20(The 20 best crime novels of all time)を発表した。リストは以下のとおり。

白衣の女(1859)  ウィルキー・コリンズ
見知らぬ乗客(1950)  パトリシア・ハイスミス
時の娘(1951)  ジョセフィン・テイ
シャーロック・ホームズ全集(1892-1927)  アーサー・コナン・ドイル
アクロイド殺害事件(1926)  アガサ・クリスティ
メグレを射った男(1932)  ジョルジュ・シムノン
ナイン・テイラーズ(1934)  ドロシー・L・セイヤーズ
レベッカ(1938)  ダフネ・デュ・モーリア
スミラの雪の感覚(1992)   ペーター・ホゥ
冷血(1966)  トルーマン・カポーティ
薔薇の名前(1980)  ウンベルト・エーコ
ニューヨーク三部作(1985-1986)  ポール・オースター
ミザリー(1987)  スティーヴン・キング
大いなる眠り(1939)  レイモンド・チャンドラー
LAコンフィデンシャル(1990)  ジェイムズ・エルロイ
ファーザーランド(1992)  ロバート・ハリス
ケリー・ギャングの真実の歴史(2000)  ピーター・ケアリー
荊の城(2002)  サラ・ウォーターズ
最初の刑事(2009)  ケイト・サマースケイル
ゲット・ショーティ(1990)  エルモア・レナード


なお、候補(CONTENDERS)として、以下の15作も挙げている。

怪奇と幻想の物語(1852)  エドガー・アラン・ポー
ブラウン神父の童心(1911)  G・K・チェスタートン
影なき男(1934)  ダシール・ハメット
トゥルー・グリット(1968)  チャールズ・ポーティス
三つの棺(1935)  ジョン・ディクスン・カー
1974 ジョーカー(1999)  デイヴィッド・ピース
ゴッドファーザー(1969)  マリオ・プーゾ
ウォッチメン(1987)  アラン・ムーアとデイブ・ギボンズ
死との抱擁(1986)  バーバラ・ヴァイン
策謀と欲望(1989)  P・D・ジェイムズ
五番目の女(1996)  ヘニング・マンケル
わたしの名は赤(1998)  オルハン・パムク
悔恨の日(1999)  コリン・デクスター
ミレニアム2 火と戯れる女(2006)  スティーグ・ラーソン
ジャーナリストと殺人者(1990)  ジャネット・マルカム


 CWAのチョイスに対しては、スティーグ・ラーソンなどのスカンジナヴィア系作家が選ばれていないといった批判があったのを意識してか、「テレグラフ」のチョイスでは、最近の作品はもちろん、デンマーク出身のペーター・ホゥや、トルコ出身のノーベル文学賞作家、オルハン・パムクなど、時代や国籍も含めて、万遍なく選択しようとした意図がそれなりに窺える。
 しかし、最近の作品は、今は人気があっても、時の試練を経て生き残るかどうか未知数な面もあるし、ジャンルや国籍にフェアであろうとするあまり、幅を広げすぎて、ミステリの選択としては首を傾げたくなる作品も混じっているように思えるが、いかがであろうか。候補とはいえ、「ウォッチメン」のようなコミック・シリーズまで挙がっているのは、さすがに行きすぎのような気はする。とまれ、日本の読者の視点からしても、かなりユニークな選択であることは間違いなく、一つの参考にはなりそうだ。
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テーマ : ミステリ
ジャンル : 小説・文学

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