ディテクション・クラブ 幻のラジオ・ドラマ・シリーズ

 以前の記事で、アガサ・クリスティに、未刊行の戯曲“Chimneys”があることに触れたが、今月末にはいよいよ、『死者のあやまち』の1954年に書かれた原型中編で、昨年になってキンドル版でリリースされた、“Hercule Poirot and the Greenshore Folly”がハーパー・コリンズからハードカバーで出る予定だ。
 この作品のように、クリスティには、今頃になってようやく日の目を見た未発掘作品があるし、ほかにも未刊行作品が幾つか残っているようなのだ。
 まず、1954年5月31日にBBCラジオで放送された30分もののラジオ・ドラマ、‘Personal Call’。これは、『シタフォードの秘密』に登場したナラコット警部を登場させた作品らしい。
 これ以前にも、1948年1月13日に、同じくBBCの30分ものラジオ・ドラマで、‘Butter in a Lordly Dish’という作品が放送されている。これは、『ザ・スクープ』や『漂う提督』などのリレー長編と同じく、ディテクション・クラブのメンバーがクラブの資金調達を目的として企画したもので、Mystery Playhouseという番組枠でクリスティを含め全部で6人のメンバーが参加したシリーズだったようだ。その内訳は以下のとおり。

Butter in a Lordly Dish        アガサ・クリスティ      1月13日(放送日。以下同)
The Murder at Warbeck Hall     シリル・ヘアー        1月27日
A Nice Cup of Tea           アントニイ・ギルバート   2月3日
Sweet Death              クリスチアナ・ブランド    2月10日
Bubble, Bubble, Toil and Trouble  E・C・R・ロラック       2月17日
Where Do We Go From Here?    ドロシー・L・セイヤーズ   2月24日

 クリスティの“Butter in a Lordly Dish”については、2001年以降、スペシャル・イベントなどの機会に何度か紹介されたことがあるらしいが、ほかの作家たちの作品も含め、いずれも刊行の機会には恵まれていない。実に興味をそそるではないか。
 クリスティには、ほかにも未刊行の舞台劇や短編などがあるようだが、詳細は分かっていない。今後、紹介の機会が得られることを期待したいものだ。
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