作家たちの未解決事件への挑戦 “Great Unsolved Crimes”

 ディテクション・クラブによる犯罪実話を紹介した機会に、もう一つの犯罪実話集にも触れておきたい。
 “The Anatomy of Murder”が出る前年に、“Great Unsolved Crimes”(1935)という未解決事件の実話集が英ハッチンスン社から出ている。前者に比べると各篇は短めで、全42篇が収録されている。それぞれ異なる執筆者が寄稿しているが、元警視もいれば、著名な推理小説作家も多数含まれている。
 ドロシー・セイヤーズは‘The Murder of Julia Wallace’を寄稿しているが、これは“The Anatomy of Murder”に収録されたものの初稿に当たり、それよりずっと簡潔だが、こちらにはウォーレス夫妻の写真が掲載されている。
 これだけでなく、全篇にわたって写真が加えられていて、オースティン・フリーマンの‘The Peasenhall Mystery’にも、のちに“The Dead Hand and Other Uncollected Stories” (1999)に収録された際には省かれた写真が3枚載っている。
 ほかに、執筆者の中でも有名どころを挙げていけば、フランシス・アイルズの‘Was Crippen a Murderer?’、ベロック・ローンズの‘Who Poisoned Charles Bravo?’、テニスン・ジェスの‘The Trial of Madeleine Smith’、J・S・フレッチャーの‘The Maybrick Poison Trial’、アントニイ・バークリーの‘Who Killed Madame “X”?’、ミルワード・ケネディの‘The Camden Town Murder’、フリーマン・ウィルズ・クロフツの‘The Gorse Hall Mystery’、ヘンリー・ウェイドの‘The Merstham Tunnel Mystery’、マーガレット・コールの‘The Trial of Oscar Slater’が含まれている。
 バークリーが筆名を使い分けて2篇も寄稿しているのはご愛嬌か。各篇は短いながらも、それぞれの作家が事件の概要を説明したあと、自分なりの解決案の推理を披露しているのが興味深い。
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テーマ : ミステリ
ジャンル : 小説・文学

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