ロジャー・シェリンガムとモーズビー主任警部の事件簿

 “The Avenging Chance and Other Mysteries From Roger Sheringham’s Casebook”の増補新版(2015)に、新たに発掘されたシェリンガムもののショートショート‘The Bargee’s Holiday’が収録されたが、同作品は、これまで確認されたものとしては、シェリンガムの登場する最後の作品に当たるようだ。1943年2月18日付けのNorth Devon Journal and Heraldという英国の新聞に掲載されたもので、CADS 64によれば、トニー・メダウォーが2012年6月に発見した作品である。
 二人の兵士の不用意な会話から、同じ客車に居合わせたシェリンガムが、英国がナチス支配下のオランダに進攻しようとしている事実を見抜くというストーリーなのだが、第二次大戦を時代背景にしている点からも、確かにシェリンガム最後の事件と見ていい。シェリンガムがどうやって軍の秘密を洞察したのかという、ちょっとした謎解き仕立てになっていて、シェリンガムの従姉妹アガサの夫で、チャールズという名の准将が登場するのも興味深い。
 現在判明しているシェリンガム&モーズビー主任警部ものの短編&脚本を改めてリストアップすれば、以下のとおり(カッコ内は初出年)。

短編
The Avenging Chance(1929)  「偶然の審判」(『世界短編傑作集3』創元社:但し、邦訳は短縮版)
Perfect Alibi(1930)        「完璧なアリバイ」(ミステリマガジン93年4月号)
The Mystery of Horne’s Copse(1931)
Unsound Mind(1933)       「不健全な死体」(ミステリマガジン06年3月号:モーズビー主任警部のみ登場)
White Butterfly(1936)       「白い蝶」(EQ83年5月号)
The Wrong Jar(1940)       「瓶ちがい」(『名探偵登場3』早川書房)
‘Mr. Bearstow Says…’(1943)  「ブルームズベリで会った女」(ミステリマガジン82年1月号)
The Bargee’s Holiday(1943)
Direct Evidence(1994)
Double Bluff(1994)
Razor-Edge(1994)         「のるかそるか」(EQ94年1月号)

脚本
Temporary Insanity(1994)
Red Anemones(1994)


 できればまとまった形で翻訳紹介されてほしいところではあるが、“The Roger Sheringham Stories”(1994)は大変な稀覯本だし、もしかして自分でやるほかないのだろうか・・・。
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No title

いつも拝見させてもらっています。
「ロジャー・シェリンガムとモーズビー主任警部の事件簿」、ぜひやってください。買います!

うーん、そう言われると悩んでしまいますね・・・。
ほかにもいろいろ抱えているのですぐに取りかかるのは無理ですが
ちょっと考えてみたいと思います。
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