バーザンとテイラーが選ぶベスト50

 ジャック・バーザンとウェンデル・ハーティグ・テイラーの“A Catalogue of Crime”(初版:1971、改訂増補版:1989)は、長編、短編集、研究書など、5千冊を超えるミステリ関連書を取り上げて忌憚のない批評を加えたリファレンス・ブック。取り上げている本の範囲や数もさることながら、その批評眼の鋭さも他者の追随を許さない。個人的には、数あるリファレンス・ブックの中でも、なるほどと納得したり、同意できる頻度が最も高い本である。
 そのバーザンとテイラーが、出版社の求めに応じて、20世紀前半において古典と呼ばれるに値する50冊を選び、それぞれに序文を付した叢書が“Fifty Classics of Crime Fiction 1900-1950”(ガーランド社)。ガーランド社はのちにそれらの序文を集め、1979年に“A Book of Prefaces”という一冊の本にまとめている。これは通し番号が打たれた250部限定で、そのうち50部に両著者の署名が入っている。
 ジェイムズ・サンドー、ヘイクラフトとクイーン、ジュリアン・シモンズやH・R・F・キーティングをはじめ、作家や批評家の著名なベスト集リストはいろんなところで引用されているが、このバーザンとテイラーのベスト50は不思議と日本語では見たことがない。邦訳のない作品もかなり含まれているし、この機会にご紹介したいと思う。(著者名アルファベット順)

バーザン、テイラー編 “Classic Stories of Crime and Detection”(短編集)
  サミュエル・ホプキンズ・アダムス  ‘The One Best Bet’
  ベルトン・コッブ  ‘Mr. Flexman’s Boast’
  T・S・ストリブリング  「亡命者たち」
  レナード・グリッブル  ‘The Case of Jacob Heylyn’
  アーサー・ベンジャミン・リーヴ  ‘The Clairvoyants’
  アントニイ・バークリー  「偶然の審判」
  ジャック・フットレル  「謎の凶器」
  ヘレン・マクロイ  「人生はいつも残酷」
  ジョン・ディクスン・カー 「軽率だった夜盗」
  ウィリアム・アイリッシュ  「晩餐後の物語」
  エラリー・クイーン  「正気にかえる」
  メルヴィル・ダヴィッスン・ポースト 「養女」
  オーウェン・ジョンスン  ‘One Hundred in the Dark’
  ヴィンセント・スターレット  ‘The Eleventh Juror’
マージェリー・アリンガム  『クロエへの挽歌』
H・C・ベイリー  “Mr. Fortune: Eight of His Adventures”
E・C・ベントリー  『トレント最後の事件』
ニコラス・ブレイク  『殺しにいたるメモ』
アーネスト・ブラマ  『マックス・カラドス』
ジェラルド・ブレット  “The Jury”
マイルズ・バートン  “The Secret of High Eldersham”
レイモンド・チャンドラー  『湖中の女』
G・K・チェスタトン  『ブラウン神父の童心』
アガサ・クリスティ  『アクロイド殺害事件』
コール夫妻  “The Murder at Crome House”
エドマンド・クリスピン  『お楽しみの埋葬』
フリーマン・ウィルズ・クロフツ  『フレンチ警部と紫色の鎌』
アーサー・コナン・ドイル  『バスカヴィル家の犬』
ヘレン・ユースティス  『水平線の男』
ケネス・フィアリング  『大時計』
R・オースティン・フリーマン  『歌う白骨』
アール・スタンリー・ガードナー  『傾いたローソク』
アンドリュウ・ガーヴ  『ヒルダよ眠れ』
マイケル・ギルバート  『スモールボーン氏は不在』
C・W・グラフトン  『真実の問題』
アンナ・キャサリン・グリーン  “The Circular Study”
シリル・ヘアー  『風が吹く時』
マシュー・ヘッド  “The Congo Venus”
ジョージェット・ヘイヤー  “A Blunt Instrument”
ジェームズ・ヒルトン  『学校の殺人』
エルスペス・ハクスリー  “The African Poison Murders”
マイケル・イネス  “The Daffodil Affair”
トマス・キンドン  “Murder in the Moor”
トマス・キッド  “Blood on the Bosom Devine”
ラング・ルイス  『死のバースデイ』
ロス・マクドナルド  『魔のプール』
パット・マガー  『被害者を探せ!』
ポール・マクガイア  “A Funeral in Eden”
ナイオ・マーシュ  “A Wreath for Rivera”
A・A・ミルン  『赤い館の秘密』
ダーモット・モーラー  “The Mummy Case”
オリヴァー・オニオンズ  “In Accordance with the Evidence”
マルコ・ペイジ  “The Shadowy Third”
ヴァージニア・パーデュー  “Alarum and Excursion”
イーデン・フィルポッツ  『溺死人』
ドロシー・L・セイヤーズ  『毒を食らわば』
C・P・スノウ  『ヨット船上の殺人』
レックス・スタウト  『料理長が多すぎる』
アーサー・アップフィールド  “The Bone Is Pointed”
ヘンリー・ウェイド  『議会に死体』
ヘンリー・キッチェル・ウェブスター  “Who Is the Next?”
エレン・ウィルキンスン  “The Division Bell Mystery”
クリフォード・ウィッティング  “Measure for Murder”



著者の署名

バーザンとテイラー
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テーマ : ミステリ
ジャンル : 小説・文学

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