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ジョン・ロード『デイヴィッドスン事件』が刊行予定

 ジョン・ロードの『デイヴィッドスン事件』(英題:The Davidson Case、米題:Murder at Bratton Grange:1929)が論創社の論創海外ミステリから刊行される予定です。ランスロット・プリーストリー博士の登場する長篇です。

 化学装置の設計・製造を行う〈デイヴィッドスン社〉の社長、ヘクター・デイヴィッドスン卿が謎の死を遂げる。ヘクター卿は、業務用のケースを携えて列車に乗り、駅からトラックの荷台に乗せてもらって自分の屋敷に向かうが、トラックが屋敷に着いた時、卿は荷台の中で死んでいた。社の事務所では、特許申請予定だった新発明の装置の図面や模型が行方不明となっていて、ヘクター卿が携えていたケースの中にあったと思われたが、卿の死体が発見された時、そのケースは消えていた・・・。

 レギュラー・メンバーとして、秘書のハロルド・メリフィールド、ハンスリット警部のほか、『クラヴァートンの謎』に登場するアラード・ファヴァーシャム卿も登場しています。のちにレギュラー・メンバーとなるオールドランド医師やジミー・ワグホーン警部はまだ登場しておらず、中期以降の作品で頻繁に催される土曜の例会も本作にはありません。
 初期作品らしく、プリーストリー博士は、犯行現場へみずから調査に赴き、人々に直接聞き取り調査を行うなど、活動的な面を見せています。また、事件を取り巻く登場人物たちが血の通った個性的な存在として描かれているのも本作の読みどころの一つです。
 『デイヴィッドスン事件』は、ローズマリー・ハーバート編The Oxford Companion to Crime & Mystery Writing(1999)でジョン・ロードの項目を執筆しているティモシー・ジョン・ビニョン(Murder Will Out: The Detective in Fiction〔1989〕の著者)が、『クラヴァートンの謎』、『ハーレー街の死』とともにロードのベストに挙げている作品です。
 また、マーティン・エドワーズは、『探偵小説の黄金時代』(2015。邦訳は国書刊行会刊)で本作に言及し、「興味深いアイデア」と述べ、カーティス・エヴァンズはMasters of the “Humdrum” Mystery(2012)で、本書をロードの「一九二〇年代の謎解きのベスト」と呼んでいます。ロードの代表作の一つと言っていいでしょう。
 多くの読者の皆様に楽しんでいただけることを願っております。

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        デイヴィッドスン事件

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