オースティン・フリーマン 「パーシヴァル・ブランドの替玉」

 フリーマンの短編集“The Great Portrait Mystery”(1918)には7篇の短編が収録されているが、そのうち、‘The Missing Mortgagee’(消えた金融業者)と‘Parcival Bland's Proxy’(パーシヴァル・ブランドの替玉)の2篇はソーンダイク博士の登場する倒叙物。いずれも元はピアスン誌に掲載されたものであり、H・M・ブロックの挿絵が入っている。
 フリーマンは、ソーンダイク博士物の第一短編集“John Thorndyke’s Cases”(1909)の序文で、「見事な、共感に満ちた絵」、「テクストに対する厳格な忠実さを守っている」とブロックを称賛している。
 以下は、ピアスン誌1913年12月号に掲載された「パーシヴァル・ブランドの替玉」(邦訳は『ソーンダイク博士の事件簿2』創元社収録)の挿絵。


パーシヴァル・ブランド


 なお、雑誌掲載版では、冒頭に‘Oh, what a tangled web we weave, when first we practice to deceive.’(おお、なんと複雑な網目の罠を紡ぎ出すことか。初めて人を欺く時には。)という詩の一節が掲げられている。出典の記載はないが、これはウォルター・スコットの詩「マーミオン」からの引用。単行本版には掲載されていない。
 ちなみに、ニコラス・ブレイクの長編『くもの巣(A Tangled Web)』のタイトルも同じ詩からの引用と思われる。
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