オースティン・フリーマン ‘The Naturalist at Law’

 ソーンダイク博士物の最後の短編集“The Magic Casket ”(1927)所収の‘The Naturalist at Law’は、本来、‘The Clue of the Lesser Duckweed’というタイトルでピアスン誌1926年12月号に掲載された作品。
 ソーンダイク博士は、水路で発見された死体に付着していた浮き草を手がかりに、事故ではなく殺人であることを証明する。オリジナルの雑誌掲載版には顕微鏡写真が挿入され、小浮き草と大浮き草の違いを見比べられるようになっている。
 注目されるのは、この写真はフリーマンが自ら撮影したものではないらしく、マンチェスターのフラッターズ&ガーネット社による写真というコメントが付してあること。同社は、顕微鏡関連の器具や見本を販売していた会社で、1967年まで教育目的のために博物館や学校と取引をしていたようだ。もしかすると、フリーマン在住のグレイブズエンド近隣には適当なサンプルがなく、同社に顕微鏡写真の提供を依頼したのかもしれない。既に高齢で病も抱えていたフリーマンは自らサンプルを探しに行く体力がなかったのだろうか。
 挿絵画家はレジナルド・クリーバー。おなじみのH・M・ブロックは1914年6月号の「消えた金融業者」が最後で、その後の挿絵画家は、シドニー・シーモア・ルーカス、ハワード・K・エルコック、フランク・ワイルズと入れ替わり、1926年10月号の‘The Magic Casket’からクリーバーが担当している。クリーバーの描くソーンダイク博士も、鋭い眼つきの知的なイメージに描かれていて好印象を受ける。


Lesser Duckweed-1


Lesser Duckweed-2


Lesser Duckweed-3


Lesser Duckweed-4
スポンサーサイト

テーマ : ミステリ
ジャンル : 小説・文学

コメントの投稿

非公開コメント

こんばんは

フーチン64様  はじめまして。訪問をありがとうございます。クリスティ以外、全く知らない作家さんばかり――
いかに私が認識不足であることか。挿絵が素晴らしいですね。昔の挿絵画家さんの絵は何度見ても惚れ惚れします!

DE・波瑠間さま
コメントありがとうございます。
ご覧のとおりの原始的な仕立てのブログで、もっと見栄えを改善できないものかと、いろんな分野の皆さんのブログを訪問させていただいては勉強しているのですが、(どうすればこんな風に作れるのだろう?)と感心するばかりで、技術が伴わないのが歯がゆいばかりです。もともとITオンチなもので・・・。
拝見しますと、ブログを始めたのも私とほぼ同時期。DE・波瑠間さんのように人を惹きつける幻想的な雰囲気を醸し出すセンスは僕にはなさそうだけど、いろいろ学ばせていただきながら少しでもレベルを近づけられるように頑張りたいと思います。
プロフィール

S・フチガミ

Author:S・フチガミ
お問い合わせ等は
fuhchin6491
(アットマーク)
hotmail.co.jp
へどうぞ

カテゴリ
フリーエリア
天気予報
リンク
検索フォーム
アクセスカウンター
RSSリンクの表示