マクロイ『二人のウィリング』書評が「本の雑誌」に

 「本の雑誌」2016年7月号に、酒井貞道氏によるマクロイ『二人のウィリング』(ちくま文庫)の書評が載りました。
 「魅力的な謎と巧みな伏線配置で魅せる、古典ミステリの佳品」という作品の基本的性格をまず端的に明らかにし、ストーリーの簡潔な要約を踏まえた上で、「先の展開が読めない序盤、ギスギスした人間関係が徐々に明らかになってくる中盤、急展開の終盤と、読者をまったく飽きさせない。謎解きもばっちり決まる。わずか三百ページ未満なのに、雰囲気醸成も登場人物描写も余裕綽々なのが凄い」と締めくくっておられます。
 余談ですが、実は「本の雑誌」は、手にすることはあっても、購入したのはこれが初めてで、自分のアンテナの低さを少々恥じています(書評が載っていることは編集者の藤原氏からご教示いただいて初めて知った次第です)。
 「読書の原点を探せ!」という特集もなかなか興味深く、岩波少年文庫の話題も出てきますが、思えば、このシリーズの『シャーロック・ホームズの冒険』は、自分の推理小説体験のスタートの一つだったはず。林屋辰三郎氏の話題も出てきますが、氏の『古代国家の解体』は、継体・欽明朝の歴史を学ぶ中で大変刺激を受けた著作の一つだったことを思い出しました。

テーマ : ミステリ
ジャンル : 小説・文学

マクロイ『二人のウィリング』書評が「月刊ジェイ・ノベル」に

 「月刊ジェイ・ノベル」(実業之日本社)8月号に、石井千湖氏によるヘレン・マクロイ『二人のウィリング』(ちくま文庫)の書評が載りました。
 ストーリーを要約した上で、「誰が小男を殺したのか。不可解なダイイングメッセージの意味は? ウィリングは関係者の言動を細やかに観察して謎を解く。幕切れのシーンは鮮やか。ミステリー作家・深緑野分による、愛情あふれる解説も楽しい。」と締めくくっておられます。
 簡にして要を得たストーリー紹介を含むツボを押さえた書評に感謝申し上げたいと思います。自分のあとがきのほうを先に書いたため、その中では触れることができなかったのですが、私も深緑氏の解説はとても楽しく読ませていただきました。

テーマ : ミステリ
ジャンル : 小説・文学

『二人のウィリング』が「2016文庫翻訳ミステリー・ベスト10」第9位に

 講談社の雑誌「IN★POCKET」の「2016文庫翻訳ミステリー・ベスト10」に、ヘレン・マクロイ『二人のウィリング』(ちくま文庫)が第9位にランクインとのご連絡を編集者の藤原さんからいただきました。評価していただいた皆様と読んでいただいた読者の方々にあらためて感謝申し上げたいと思います。中でも、江坂遊氏と若林踏氏には同書を一位に推していただいたとのことで、江坂氏からは「こなれた翻訳のうまさ」にも言及していただき、光栄の至りと存じます。
 私の翻訳作品は、(少なくともこれまでは)依頼に基づく請負仕事ではなく、自分が選んだ作品ばかりであり、「本格ミステリー・ベストテン」第二位に選んでいただいた昨年の『あなたは誰?』に引き続き、今年もこうして『二人のウィリング』を評価していただき、大変嬉しく思いますとともに、おかげさまで自らの作品選択眼にも多少なりとも自信を持つことができたように思います。これをさらに今後の励みとし、多くの読者の皆様に優れた作品を提供していけるようますます精進してまいりたいと考えております。引き続き皆様のご支援、ご鞭撻を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。


                   二人のウィリング

『二人のウィリング』がHMM「ミステリ・ベスト・ランキング」第14位に

 今月の「ミステリマガジン」に、「特集 ミステリが読みたい! 2017年版」として、「ミステリ・ベスト・ランキング」というアンケート調査結果が掲載されており、その海外編に、ヘレン・マクロイ『二人のウィリング』(ちくま文庫)が14位にランクインしている。
 「ミステリマガジン」は、それこそ中学時代から読んできた雑誌なのだが、実はこうしたランキングがあることをはっきり意識したのは、昨年、『あなたは誰?』を11位に選んでいただいたのがきっかけ。もともと国内のこうしたアンケート調査に関心が乏しかったせいもあるのだが、実を言うと、それは今もあまり変わっておらず、自分で気づくより知人や編集者さんから教えてもらうことのほうが多い。アンテナが低くてお恥ずかしい限りである。
 昨年も同じことを思ったが、ランキング上位に並ぶ作品の多くは、近年の犯罪小説や警察小説、サスペンス小説等であり、クラシック作品は稀なので、これは貴重な評価と受け止めている。個人的には、ベストテンの中では、2位のスティーヴン・キング『ミスター・メルセデス』がお気に入りだが、リストには未読の作品もあり、これをきっかけに読んでみたいところだ。

『二人のウィリング』が「このミステリーがすごい!」で第15位に

 本日刊行された「2017年版 このミステリーがすごい!」(宝島社)において、ヘレン・マクロイ『二人のウィリング』(ちくま文庫)が海外編の第15位にランクインした。
 講談社の「文庫翻訳ミステリー・ベスト10」、HMMの「ミステリ・ベスト・ランキング」でも同じことを思ったが、ランキングの上位に並ぶ作品の多くは、近年の犯罪小説や警察小説、サスペンス小説等であり、クラシックの本格作品は『二人のウィリング』くらいであることから、これは大変貴重な評価と受け止めている。(『ルーフォック・オルメスの冒険』はクラシックではあろうが、本格作品にカテゴライズするのは無理があるだろう。)
 解説を執筆された三橋暁氏は、「もう一人の自分というドッペルゲンガー現象への興味は、先立つ『暗い鏡の中に』で深い次元へ到達済みだが、冒頭から一気に読者を絡めとる本作では、フーダニットと冒険要素が拮抗する展開へとスマートに移行して見せる」と内容を要約しておられるが、総評では、「世相や殺伐とした時代の空気を反映」した作品が多いことに触れつつ、『二人のウィリング』を「反ファシズムの精神を秘めた」ものとして言及しておられ、まさに我が意を得たりという思いである。
 この場を借りて、評価していただいた皆様、それ以上に、読んでいただいた読者の皆様に感謝申し上げたい。そして、編集者の藤原氏、磯部氏にあらためて厚く御礼申し上げたい。以前の記事の繰り返しになるかもしれないが、こういう謝辞は何度繰り返しても気持ちのいいものである。


               二人のウィリング
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